オンライン授業に際しての注意点について(著作権)

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総長室

 

 2018年の著作権法改正において「授業目的公衆送信補償金制度」が創設されました。同制度は,文化庁の認めた指定管理団体(一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会。通称「SARTRAS」)が,各教育機関と著作権者又は集中管理団体の間に入って権利金の徴収を行うことにより,権利金を支払った各教育機関がワンストップ的に著作物を利用できる制度です。

 改正法の詳細な施行時期は定められておりませんでしたが,政府の緊急事態宣言発令によって各教育機関の休校が続く中、遠隔授業をしやすい環境を整えて学習の遅れが生じないようにすることを目的に,2020年4月28日から施行することを定める政令(令和2年政令第146号)が公布されました。

 本学においてもSARTRASへ「授業目的公衆送信補償金制度」の登録を済ませましたので,本学のオンライン授業(以下では,教室を空にした状態で行う講義をインターネットで同時配信する場合,および,録画した講義をインターネットでオンデマンド配信する場合を指します)においても著作権者の許諾を得ることなく一定の範囲で著作物の利用が可能になります。
 科目担当者各位におかれましては,以下の注意事項を充分にご理解いただいたうえで,オンライン授業の準備・実施を進めてくださるようお願いいたします。

●授業目的公衆送信補償金制度による公衆送信に関する注意点
 オンライン授業内(授業映像内で画像・映像を見せる等)や,授業のためのインターネットを介しての教材配布(授業中手元に置く資料等のオンライン配布)における,他人の著作物の利用(公衆送信)は,日本国外の著作物を含め,無許諾で行えるようになります。
 ただし,無制限に公衆送信できるわけではなく,以下の要件の順守が求められます。
 ・教育の担任者か授業を受ける者による送信であること
 ・授業過程での利用(職員会議,授業と関係のない他の教員・教育機関との共有,授業 で取扱う範囲を超えたコピー・送信を除く。)に供する目的であること
 ・必要な限度内での送信であること
 ・送信対象が公表された著作物であること
 ・著作物の種類・用途や送信態様から著作権者の利益を不当に害するものではないこと
 これらの要件は,通常授業の利用に供する目的での複製(コピー)が許容されるための要件とほぼ同じですので,その延長線上でお考えください。例えば,利用者が各自購入することを予定しているドリルや丸々一冊の書籍のアップロード等は,必要な範囲を超えている,または,著作権者の利益を不当に害するものとなり得ます。

 こうした不適切な利用に該当するものの基準については,文化庁又はSARTRASによる十分なガイドラインが未だ示されておりませんが,これまでの裁判例に鑑み,利用する著作物の性質や,利用する分量,複製データの質,送信対象者数等を踏まえて,限度をお考えください。

●その他の注意点
1.出所明示の慣行
 出所明示の慣行がある場合(引用を行う場合において,その出典を明示すること)は,引き続き合理的な方法及び程度でそれを行う必要があります。慣行がよく分からない場合は,念のため出所を明示してください。

2.改変の禁止
 著作物の改変により,著作者の同一性保持権を侵害しないよう,お気を付けください。例えば,配布資料へ掲載するために差別的な表現を用字・用語を変える等のように,学校教育の目的上やむを得ないと認められる修正は認められます。

3.公有の著作
 既に著作権が消滅している他人の著作物(いわゆるパブリックドメイン),については,無許諾かつ無償で利用することができますが,上述の同一性保持権をはじめとする著作者人格権の侵害には依然として注意が必要です。

4.その他
 未公表の著作物は,著作権者の許諾なく利用できません。
 また,オンライン授業に限りませんが,写真や映像の利用に際しては,自作のものも含め,一般人の肖像権,写真や映像における芸能人等のパブリシティ権にもご留意ください。

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